55歳のときに、脳卒中で重い右片麻痺と失語症になり、なぜか精神病院に送りこまれて、寝たきりのまま老人ホームに入園してきた、Iさんという男性の話です。
当時、68歳だった。
彼は、尿意はあって、ベッド上で上を向いて寝たまま、手で尿器を股間に入れて採尿していたのだが、便意はわからないのです。
やむなくオムツをして、その中にほぼ2~3日に1回、排便があるという状態であった。
言葉は、ときどき反射的に単語が出るだけだけれど、歌は歌えて、誕生会には童謡の「桃太郎」を延々と歌い続けるという特技をもっている人です。
おとなしい人で、体重が重いため、移動や入浴の介助が大変なこと以外、特に問題もない人なのだが、毎年、夏になると、困ったことが1つだけ出てくるのです。
お尻がただれるのです。
オムツではむれるだろうと、オムツカバーはしないで敷オムツ方式にしてみたのだが、何しろ自分では横を向くこともなく、ずっと上向きになっている人なので、お尻全体が真っ赤にただれ、見るからに痛そうなのです。