もちろん、片麻痺でずっと寝たきりだった人だから、ポータブルトイレに座っているだけのバランスカはない。
そこで、ポータブルトイレフレームを使って、体を支えることにした。
でも、Iさんは「座るのは嫌だ」と言う。
「お尻が痛い」と言うのだ。
そのときは季節は春で、お尻がただれてはいなかったのだが、ポータブルトイレの硬い便座が、がまんできないらしいのだ。
「どうしたらいいかねえ」寮母さんはあきらめない。
「車いすなら1時間半くらいは平気で座ってるでしょ。車いす型の便座はないの?」
ある。
「コモードチェアー」といって、シャワーチェアーにもなる商品だ。
だが、便座はポータブルトイレよりもっと硬い。
いすだから安定はよくなるが、お尻はもっと痛いだろう。
「じゃ、車いすのシートに穴をあけて、下にバケツ入れたらどう?」
こうして生まれたのが「車いすトイレ」です。